カービングを行う際に必ずと言っていいほど刻印というツールを使います。そしてその刻印は何かしら「打つ物」がなければ使用できません。この「打つ物」の中の一つが「モウル」になります。
ただこの「打つ物」に関しては人によって様々で、私のようにモウルを使う人もいれば木槌か革槌を使用する人もいます。このあたりは「これが正しい」というのが難しく、重さや持ちやすさ、力の入りやすさなど様々な角度から考え、自分に合ったもの、気に入ったものを使用するのが一番いいと思います。
私もいくつか試してみましたが、やはり個人的にはモウルが一番打ちやすかったです。
木槌や革槌系は打つ面が限定されているため、持ち直した際には面を確認しなければいけないのですが、その点モウルは打つ部分が円柱状になっており、特に面を気にしなくても打てるというところに魅力がありました。
面を確認することが大したことには思えないかもしれませんが、個人的にはカービングは何千、何万回も打つ作業になるので、少しでも簡易的にできる部分は簡易的にできた方がいいと思います。
ちなみに現在私の持っているモウルは上記の写真の3本になります。
左から…
・バリーキングのラウンドモウル18オンス
・バリーキングのラウンドモウル12オンス
・バリーキングのラウンドモウルテイパー12オンス
…になります。
ちょっと重めのラウンドモウル18オンスは主にバスケットスタンプやジオメタリック系、フラワーセンターなどの刻印を打つ時に使っていて、ラウンドモウルテイパー12オンスはカービングする際の刻印を打つ時に使っています。
真ん中のラウンドモウル12オンスはと言いうと…
実は最近はあまり使わなくなってしまいました。
…というのもラウンドモウルテイパー12オンスの登場により、めっきり使わなくなってしまいました。
それだけラウンドモウルテイパー12オンスがわたくしの中では使いやすかったのです。
ちょっと写真では分かりづらいかもしれませんが、右のラウンドモウルテイパーは他のラウンドモウルに比べて打つところに傾斜があります。
この傾斜が打つ時、刻印に引っかかる感じがあり、個人的には非常に気に入っております。
また私だけかもしれませんが、このモウルは肘をついた状態でも円滑に刻印を打てます。なので長時間のカービングなどでも疲れにくいと思います。
木槌や革槌、モウルと様々なツールがあり、どれを好むかは本当に人それぞれです。
実際私が推しているラウンドモウルテイパーも、人によっては使いづらいという意見もございました。それに私も木槌や革槌は「試し」程度にしか使ったことがないので、そこまでの良さが分からないだけかもしれません。
文頭にも書きましたが、是非いろいろ試してみて自分に合ったツールを探してみるのもいいと思います。
ちなみにですが、モウルを使う際には、たまに白い樹脂が剥離して落ちるときがあります。
そのカスのようなものを刻印で革に打ち込んでしまうとなかなか取れないので注意が必要です。